研究会について:About

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研究会について


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Director / Honorary chairman: Yuzo SAKAMOTO

YUCACOシステムはよりよい暮らしを適切に実現する


YUCACOシステム研究会は、住宅における費用対効果の高い全館空調の開発と普及を目的として、2012年12月に創設されました。爾来、春秋に開催されるオープンセミナーや設計コンサルなどを通じて、YUCACOシステムや全館空調の普及に努めてまいりました。その甲斐もあってか、会員も100名を突破し(2020年10月時点)、研究会の拡大と全館空調の普及という目標を一応は達成できたのではないか、と考えています。

 

本研究会が創設された頃は、住宅の全館空調と言っても、「贅沢」という反応が多いのではないかと危惧していました。しかし、昨今はビルダー向け月刊誌などでも全館空調を特集するなど、時代は変わりつつあります。この原因には、世界が省エネルギーや脱炭素を要請していることの他に、日本でも”well-being”や”wellness”に価値を求める考え方が広がっていることがあげられます。”well-being”や”wellness”を、私は「よい暮らし」と訳しています。健康、快適、バリアフリー、安全・安心などが、日々当たり前のように実現されることによって、人々は豊かな暮らしや人生を実感するのではないでしょうか。

 

また、上記の豊かな暮らしの実現が高価なものであっては、それは一部のお金持ちにしか広がらず、国民に普及していきません。そこで、もう一つ、「妥当なコスト(初期コストとランニングコスト)で実現する」という条件を付け加えねばなりません。ここでは、そのことを「適切に実現する」と言い換えました。

 

部屋が暑い・寒いというテーマでいえば、高断熱とYUCACOシステムが「健康・快適な生活を妥当なコストで」、つまり、「よい暮らしを適切に」実現してくれます。高断熱は、従来は省エネや脱炭素の面が強調されていましたが、高断熱化が非暖房室の温度を上昇させることによって、疾病や住宅内事故が低減されることが分かり、今では”non-energy benefit”として認識されるようになりました。

 

YUCACOシステムは、高断熱外皮の建物に、全館空調のための空気循環装置を設置したものです。これによって、建物の内部は妥当なコストで適温が維持され、「よい暮らしが適切に」実現されます。高断熱だけでは、建物内部全体を一様な温度に近づけるということが不十分なので、空気循環装置によって撹拌し、全体を一様な温度に近づけているわけです。高断熱は、建物からの放熱は抑制しますが、建物内部の温度を一様にする働きはわずかです。

 

多くの皆様に、こうした事実を認識していただき、日本の住まいを「よい暮らしを適切に実現する住まい」に変革する本研究会の活動に、さらなるご支援を賜りたいと思います。

令和 3年 7月  坂本雄三 

 


理事・名誉会長プロフィール

 

 

 

Profile

坂本 雄三(さかもと・ゆうぞう)

【略歴】

1948年 札幌市生まれ
1971年 北海道大学卒業
1978年 東京大学大学院博士課程修了(工博)
1978年 建設省建築研究所・研究員
1990年 名古屋大学・助教授(工学部・建築学科)
1994年 東京大学・助教授(工学部・建築学科)
1997年 東京大学・教授(工学系研究科・建築学専攻)
2012年 独立行政法人・建築研究所・理事長、東京大学名誉教授
2017年 一般財団法人・日本建築センター・顧問
2021年 同退任・(株)砂川建築環境研究所・顧問

 

【専門】

建築環境工学。熱と空気の数値シミュレーション、住宅・建築の省エネルギーなど

 

【現在の主な社会活動】

(一社)YUCACOシステム研究会・会長
(一社)YUCACO推進機構・理事長
(一社)20年先を見据えた日本の高断熱研究会(HEAT20)・理事長
(一社)家庭電気文化会・代表理事
(一社)日本WOOD.ALC協会・代表理事
(一社)ステキ信頼リフォーム推進協会・会長
(一社)ZEH推進協議会・代表理事
(一社)き塾・理事
(一社)住まいの屋根換気壁通気研究会・理事
(一財)日本建築センター・理事(非常勤)
(一財)住宅建築省エネルギー機構・評議員
(一財)建築保全センター・評議員
(一財)日本地域開発センター・ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー審査委員会委員長

 

【顧問・技術アドバイザーなど】

パナソニックエコシステムズ(株)、(株)砂川建築環境研究所、(株)アーキテックコンサルティング、松栄建設(株)[福井県]、(株)渡邊工務店[愛知県]、コ-ジーホーム(株)[長野県]、日本セルロースファイバー協会、日本セルロースファイバー断熱施工協会、(株)FHアライアンス

 

【これまでの主な活動】

  • 国土交通省社会資本整備審議会・経済産業省総合資源エネルギー調査会・東京都環境アセスメント委員会などの委員を歴任
  • 国土交通省社会資本整備審議会建築部会・省エネルギー判断基準等小委員会委員長(建築物省エネ法で運用される省エネ基準を策定)
  • 経済産業省・ゼロ・エミッション・ビルの実現と展開に関する研究会・委員長(ZEH・ZEBのコンセプトを確立し、評価方法を提示)
  • (社)空気調和衛生工学会会長(2010.5~2012.5)

 

著書:
『建築と気象』(朝倉書店、1986)、『新・住まい学』(日経BP,2004)、『省エネ・温暖化対策の処方箋』(日経BP企画,2006)、『建築熱環境』(東京大学出版会)、『YUCACOシステム~エアコン1台で住宅全体を暖冷房する~』(日本住宅新聞社、2020)

受賞:
坪井賞(日本ツーバイフォー建築協会、2001)、空気調和衛生工学会学会賞(2005、技術賞建築設備部門)、空気調和衛生工学会・井上宇一賞(2014)、国土交通大臣表彰(都市計画法・建築基準法制定100周年記念、2019)

 


Chairman: Masato IGUCHI

ごあいさつ

YUCACOシステムは、住宅向けの全館空調を「より簡単に、より効率よく、より安価に」実現することを目標に開発された空調システムです。全館空調は、住宅全体の暖冷房で上質な温熱環境を実現できる空調システムですが、高度な専用機器が必要なことや、居住者がいない部屋も連続して暖冷房することにより、どうしても贅沢なシステムという見方が多かったように思います。

しかし、2025年4月に省エネ基準が義務化されることも踏まえ、住宅の高断熱化はますます進んでいくことでしょう。住宅の高断熱化が進めば、1室に1台の暖冷房機器を設置することが不経済となります。研究会が設立された2012年当時は、住宅の全館空調というと、ビル向けの空調システムを応用したダクトセントラル方式が主流でしたが、現在では汎用品であるルームエアコンを活用した方式も普及し、YUCACOシステムもそれなりの地位を築いてきました。今後、ますます様々な形の全館空調が登場してくることと思います。いずれ、少数の暖冷房機器で住宅全体の空調を行うことが一般的となり、全館空調という言葉すらなくなっていくかもしれません。

人間が1日の多くの時間を過ごす住宅ですから、「より簡単に、より効率よく、より安価な」全館空調システムを実現させ、快適かつ健康に配慮した温熱環境を追求していくべきです。そのような思いをもってYUCACOシステム研究会を運営していきたいと思います。ぜひとも、ご支援の程、よろしくお願いいたします。

令和 6年 7月  井口雅登 

 


会長プロフィール

 

 

 

Profile

井口 雅登(いぐち・まさと)

【略歴】

1977年 神奈川県川崎市生まれ
2000年 日本大学理工学部建築学科 卒業
2002年 日本大学大学院理工学研究科建築学専攻 修了
2002年 東京電力株式会社(~2015年)
2009年 東京大学大学院工学系研究科受託研究員(兼務、~2011年)
2014年 博士(工学), 東京大学
2015年 日本大学理工学部建築学科 助教
2021年 日本女子大学家政学部住居学科 非常勤講師(兼務)
2023年 日本女子大学大学院家政学研究科 非常勤講師(兼務)
2024年 日本女子大学大学院建築デザイン研究科 非常勤講師(兼務)

2024年 日本大学理工学部建築学科 准教授

 

【専門】

建築環境・設備,住宅の温熱環境と全館空調システム

 

【所属学会】

日本建築学会、 空気調和・衛生工学会、 エネルギー・資源学会

 

【主な社会活動】

(一社)YUCACOシステム研究会・会長

(一社)YUCACO推進機構 顧問

(一社)日本サステナブル建築協会 委員

(一社)20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会、国土交通省 建築基準整備促進事業(E16) 、

 WG主査、メンバー(2021~2023)

(一財)建築環境・省エネルギー機構 委員長・委員

(株)東京建築検査機構 監視委員

 

著書:
『YUCACOシステム ~エアコン1台で住宅全体を暖冷房する~ 』日本住宅新聞社、2020年11月

 


*団体名・設立の趣旨・設立年月日・所在地・役員・活動内容・会員・会費は、こちらの「YUCACOシステム研究会の概要」ページをごらんください。

 

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Photo: ©︎HATTORI Tetsuyuki